(自治労)憲法24条<両性の平等と家庭内の個人の尊厳>が危ない!?

先日のキャンペーン集会の様子をジャーナリストの林美子さんが自治労のサイトで書いてくれました! ありがとうございます。

憲法24条<両性の平等と家庭内の個人の尊厳>が危ない!?
2017/07/19
http://www.jichiro.gr.jp/column/fair/6813

七夕の日にキャンペーンのシンポジウム

安倍政権が進める憲法改正問題で、マスコミなどで話題になるのは9条と「緊急事態条項」が多い。「24条も危ない」ことは、あまり意識されていないのではないか。24条は、両性の本質的平等と家庭における個人の尊厳をうたっている。まさかそれには手を付けないだろうと考えがちだが、ジェンダーの問題に敏感な人たちがいま心配しているのは、まさにそこなのだ。

七夕にあたる7月7日、東京都内で、「まやかし『加憲』も『改憲』も、どっちも危ない!-24条が、安倍政権とともに改憲右派に狙われる理由」というシンポジウムが開かれた。主催は、市民や研究者らでつくる「24条変えさせないキャンペーン」である。

https://article24campaign.wordpress.com/

24条について、2012年の自民党改憲草案は「家族は、社会の自然かつ基礎的な単位として、尊重される。家族は、互いに助け合わなければならない」という、現在の憲法にはない一文を加えている。これに対し、「家族の助け合い」という家族内における個人の義務を書き込むのは、政府が果たすべき社会保障の役割を家族に押し付けるものだといった批判が出ている。

そこで、安倍政権に影響力を持つ保守系シンクタンク、日本政策研究センターは「家族の助け合い」にはふれず、「家族は社会の基礎単位として尊重されるという家族の位置づけ」と、「家族への国や社会による保護」を加えるように主張している。

同様の言葉は、実は世界人権宣言にも記されている。人権宣言は16条3項で、「家族は社会の自然かつ基礎的な単位であり、社会及び国による保護を受ける権利を有する」としている。自民党は改憲草案に関するQ&Aでこの条項を何度も引用する。

ん? なんだか一見、よさそうな話ではないか? 「家族は大切だ」というのは、素朴な実感にも合う。

 

「家族」を強調することの落とし穴

だがそこに、落とし穴があるのだ。7日のシンポジウムでは、モンタナ州立大准教授の山口智美さんが「24条に関する右派のこだわりは相当強い。先祖から子孫への縦のつながりを強調しており、そこにあるのはイエ制度及び家族国家観そのもの」と分析した。室蘭工業大学准教授の清末愛砂さんは、「家族の保護を求めるなら24条の改正は不要で、その精神をうけて25条に基づき社会保障を拡充すべき。世代間の助け合いを強調すると必ず自分の首を絞める」と主張。弁護士の打越さく良さんも「世界人権宣言の中からいいとこ取りして、自由と平等を支える国家の責務など人権宣言やILO条約に書かれた多くのことを無視している」と批判した。

自民党や保守派は繰り返し、「戦後の行き過ぎた個人主義が様々な問題をもたらした」として、「家族」を強化することでその解決を図るとしている。だが、しばしば例にあげられるいじめや不登校、家庭内暴力、DV、離婚、少子化、介護問題などが、「過度の個人主義」によりもたらされたという説得力のある証明を目にしたことは一度もない。

 

問題は「過度の個人主義」ではなく「個人主義の不足」である

そもそも、「過度の個人主義」が何をさすのかがはっきりしない。ようするに「わがまま」と言いたいのだろうと推測するが、だとしたら、無理やり結婚させ、子どもを産ませよう、親の介護を強制しようというのは、それこそ戦後ようやく獲得した個人の自由や尊厳を踏みにじるものではないか。家族の形も、シングル親家庭、LGBTのカップルなど多様になっているし、暴力が蔓延するなど崩壊した家庭もある。法務省の2010年の統計によると、殺人や傷害致死事件の半数以上は親族間で起きている。家族がやすらぎの場である人もいれば、命を脅かされる場である人もいるのである。

私は、問題は個人主義の行き過ぎではなく、「個人主義が足りない」ことにあると思う。家族という形式とその維持にこだわるのではなく、個人がどのような家族を作りたいかという意思に基盤を置くことこそが重要なのだ。家庭や学校、企業、社会の中で個人がきちんと尊重されることが、いじめやDVなど様々な問題解決のカギをにぎるのではないか。「家族」を強調すれば少子化が止まるわけではないことも、日本やイタリア、韓国など、家族のきずなが強いとされる国々が「少子化先進国」であることをみれば明らかである。だから、24条の改正ではなく、「両性の平等と個人の尊厳」の実現をめざしてさらに努力することが必要なのである。

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