(他団体)学習会「24条から考える自民党改憲草案」レポート(1)

「24条変えさせないキャンペーン」が協賛しました、10月22日に京都で行なわれた集会の詳細なレポートが届きました! (1)(2)にわけてアップします。

学習会「24条から考える自民党改憲草案」レポート

主催:戦争アカン!京都おんなのレッドアクション
協賛:24条変えさせないキャンペーン
日時:2016年10日22日(土)14:00〜17:00
場所:東本願寺しんらん交流館
メイン報告 講師:吉田容子(弁護士・立命館大学法科大学院)

%e3%83%ac%e3%83%83%e3%83%89%e3%80%8024%e6%9d%a1%e3%80%80%e5%ad%a6%e7%bf%92%e4%bc%9a%e3%80%804

レポート概要(当日は1〜5まで行われました)

  1. 開会あいさつ(原稿)
  2. メイン報告(パワーポイントから)
  3. 「保育と介護の現場から」(書き起こし)
  4. グループ討論(割愛)
  5. まとめと閉会あいさつ(書き起こし)
  6. アンケートより参加者の感想
  7. 後日談〜ある親子の会話〜

1.開会あいさつ(澤田季江)

本日は、自民党改憲草案24条について考える講演会にたくさんご参加いただきまして、本当にありがとうございます。

私たち「戦争アカン!京都おんなのレッドアクション」は、昨年6月に「戦争法はアカン」という京都の幅広い女性たちが集まって結成した会です。安倍政権が多くの国民の反対を押し切って安保関連法(戦争法)を強行した昨年9月19日以降は、戦争法の廃止をめざして、毎月19日に「レッドアクション」を続けています。

今回の自民党改憲草案では、自民党が長年に渡って改憲を目指してきた9条のみならず、現行憲法の様々な条文がその対象となる可能性があります。その中でとりわけ懸念されるのは、基本的人権を大幅に制約することが可能となる「緊急事態条項」の創設と、家庭生活における個人の尊厳と両性の平等をうたう24条の改悪です。

そもそも憲法24条は、婚姻における両性の平等をはじめ、古い「家」制度を否定するものでした。前近代的な価値観を否定し、女性に対する抑圧や差別を制度的に生み出してきた大日本帝国憲法下での民法上の「家制度」を廃止し、家族関係を「個人の尊厳と、両性の本質的平等」に基づいて再建したことが24条の大きな意義なのです。

同時に24条の意義はそれだけにとどまるものではありません。家族内ではびこってきた様々な形態のジェンダー差別やジェンダーに基づく暴力を根絶するための憲法上の重要な根拠条文として、今日も大きな意義をもっています。

ところが、自民党改憲草案では24条の最初に新たに1項設けて「家族は、社会の自然かつ基礎的な単位として、尊重される。家族は、互いに助け合わなければならない」と規定しています。このように憲法で家族を規定することはどんな意味をもつのでしょうか?

一つには、憲法の個人の尊厳に基づく個人主義を否定して、ジェンダー役割を固定化し、伝統的な家族規範や「家」制度の復活を掲げる・・・という復古主義のねらいです。またもう一方では、介護や保育、障害児者の生活支援などはすべて「自己責任」「家族責任」として、とりわけ女性に押しつけて、国民の権利として国が保障する責任をあいまいにし、必要な財政支出を最低限に抑えていく・・・という新自由主義のねらいがあります。この復古主義と新自由主義とが、車の両輪となってますます進められていく。それがこの24条の「家族」規定のねらいであると私たちは考えます。

本日の講演会では、このように「家族」を憲法の中に盛り込む自民党改憲草案24条の真のねらいは何か。それがもたらすものは何かについて、保育所の待機児問題や、在宅介護の現場でのリアルな実態をふまえながら、参加者がともに考えていこうという趣旨で企画化しました。「京都・おんなのレッドアクション」の初めての試みです。後ほどグループ討論の時間もとりますので、どうぞみなさん、ご一緒にディスカッションしながら、この問題をさらに深めていきましょう。

%e3%83%ac%e3%83%83%e3%83%88%e3%82%99%e3%80%802%e6%9e%9a%e7%9b%ae

2.講演(講師:吉田容子(弁護士・立命館大学法科大学院))

今日の内容

1.憲法とは何か
2.自民党改憲草案 ─立憲主義ではない
3.24条 ─どのように、何故、変えようとしているのか?
4.最高裁2015.12.16判決  ─改憲草案そっくり
5.親子断絶防止法 ─改憲草案と同じ危険性

1.憲法とは何か?

(1)基本理念は「国家権力を制限することにより自由を保障すること」=立憲主義憲法
憲法は、絶対君主の権力を制限する努力の中から生まれた。権力を持つ者は暴走するというのが歴史的教訓。
自然権思想(天賦人権説)
国民が国家に守らせる法(=国家権力を制限する法)

①権力からの自由=自由権の保障

②人の支配rule of menではなく、法の支配rule of law
権力は、治者の恣意的な意思ではなく、予め存在する法によってのみ行使されうる

③権力分立(権力の制限を可能とする統治機構)

(2)立憲主義と民主主義
民主主義(主権者たる国民・住民が物事を決めるという方法)は、立憲主義の重要な手段。
しかし、民主主義の下では多数派が権力を握る(=国家権力)。これにより、少数派の人権を侵害することが可能。
そこで、多数派に歯止めをかけて、少数派の人権を保障すること(多数決原理では奪えない少数派の人権を保障すること)が極めて重要で、ここに憲法の意味がある。
「民主主義=多数決」は、大きな間違い
多数決で奪ってはならない価値、入り込んではならない領域を予め確定し、保障すること(個人の思想・信条、良心、信仰、価値観など)。憲法で国民に愛国心を強いることは社会の自滅行為。

(Q&A6)「国旗及び国家を国民が尊重すべきであることは当然」
https://jimin.ncss.nifty.com/pdf/pamphlet/kenpou_qa.pdfの8ページ目)

(3)大日本帝国憲法:非立憲主義 (1889年公布・1890年11月施行)
近代国家としての外観を整え欧米列強と肩を並べること、自由民権運動などの反政府運動を鎮め、維新政府の強固な基盤を固めること。そのために西欧法を導入、その一環。

①万世一系の天皇による支配
「日本書紀」の建国神話に由来する万世一系の天皇。祖先を崇拝し、民族の宗家たる天皇家を奉戴する「人倫忠孝の精神」

②天皇大権中心の統治体系
天皇は統治権を総攬し(4)、帝国議会の協賛の下に立法を行い(5)、国務大臣の輔弼を受けて行政権を行使し(55)、司法権は天皇の名において裁判所をこれを行う(57)

③権利保護の不徹底
諸権利は、天皇が臣民に対し恩恵的に付与したものであって、臣民としての地位に反しない場合にのみ、主張できる。
「法律の範囲内において」のみ保障。

(4)日本国憲法:立憲主義(1946年11月3日公布1947年5月3日施行)
自然権思想/天賦人権説(人は生まれながらにして自由かつ平等であり、幸福を追求する権利を持ち、この権利は国家以前に存在する)が当然の前提

①基本的人権の尊重
「人間社会における政治的価値の根源が個々の人間に存すると考え、何にもまさって個々の人間を尊重すべきものとする原理」(個人主義)を、最も基本的な原理として採用
→個々の人間を人間として尊重する基本的人権尊重の原理。13条

②国民主権
すべての政治的価値の根源は個人にあり(個人主義)
→政治権力の根拠も個人にあり、かつ個人はその価値において平等
→すべての国民が政治の在り方を最終的に決める権威・力を持つ

③平和主義
平和なくして個人の自由と生存(個人主義の最大の価値)はありない

2.自民党改憲草案 ─ 非立憲主義

(1)主な内容

  • 自然権思想/天賦人権説を否定
  • 前文:「日本国は」、歴史・伝統・文化の継承を強調
  • 天皇:日本国の元首、国旗は日章旗・国家は君が代、元号、天皇の公的行為
  • 安全保障:自衛権を明記、国防軍の設置、領土等の保全義務
  • 国民の権利義務:「国民は‥自由及び権利には責任及び義務が伴うことを自覚し、常に公益及び公の秩序に反してならない」、「個人」を「人」に変更、表現の自由にも「公益及び公の秩序」による制限を明記
  • 緊急事態:宣言により「法律と同一の効力を有する政令」を制定、何人も国等の指示に従う義務
  • 改正:発議要件を緩和(両院で2/3以上の賛成→過半数の賛成)

(2)立憲主義を否定

  • 国家が国民に守らせる法(人権を制約する法)に変容
  • 天賦人権説、自然権思想を否定
  • 前文冒頭の主語は「国家」
  • 憲法尊重義務は、公務員だけ(現行憲法)でなく、全国民が負う義務に(§102Ⅰ、Q&Aによれば「遵守」より重い義務)
  • 国民は「自由及び権利には責任及び義務が伴うことを自覚」することが要求され(§12後段)
  • 「公益及び公の秩序」( 12 後段、§13後段、§21Ⅱ等)による人権制限が認められる。

*現行憲法の「公共の福祉」とは「人権相互の衝突の場合に限りその権利行使を制約するもの」。これに対し、草案は「基本的人権の制約は、人権相互の衝突の場合に限られるものではないことを明らかにした」(Q&A15)。「街の美観や性道徳の維持など」(https://jimin.ncss.nifty.com/pdf/pamphlet/kenpou_qa.pdfの13ページ目)
*憲法21条表現の自由も「公益及び公の秩序」による制約可能に

(3)自民党は「立憲主義を否定するものではない」と主張
(Q&A4 )立憲主義は憲法に国民の義務規定を設けることを否定していない。国家・社会を成り立たせるためには国民が一定の役割を果たすべき基本的事項について、国民の義務として憲法に規定されるべきである。(例)イタリア憲法§52Ⅰ(祖国防衛義務)、同§54(共和国への忠誠義務)、ドイツ基本法席ション12a(兵役義務)

  • 立憲主義が許容するのは全ての個人が基本的人権を享有するために必要な限りでの義務(教育を受けさせる義務、勤労の義務、納税の義務)。
  • 「国家・社会を成り立たせるため」という目的は、それ自体が立憲主義(国家権力を制限することで人権を守る)と整合しない。また、自然権思想・天賦人権説とも整合しない。
  • 挙げている例

%e3%83%ac%e3%83%83%e3%83%89%e3%80%8024%e6%9d%a1%e5%ad%a6%e7%bf%92%e4%bc%9a%e3%80%80%ef%bc%96

3.24条─なぜ、どのように変えようとしているのか?

(1)現行24条への道のり
ア、1871年戸籍法
・「戸籍」とは、戸主を中心に、戸主との関係において家族員を表示し、尊属・卑属、直系・傍系、男・女という価値基準に従い、家族員を配列したもの。
・戸籍は、政府が、治安維持のため、国民の現状を把握し統制する目的で制定。戸主は最末端の役人として家族を統制。

イ、1898年明治民法
・「家制度」を規定。家族の長(=戸主)が強い権限をもって家族を統率し、他の家族は戸主の命令・監督に服し、その家の財産と戸主の地位はその家の長男が継ぐ(家督相続)制度。
・戸籍制度における「戸」を、「家」として民法上の制度として再構成。

ウ、家制度の目的と果たした役割
・目的は、徴兵・徴税制度を確立し、社会の治安を保つために、国民の現状を把握し、統制すること。
・果たした役割

①明治政府の政治権力安定
「君(天皇)に仕える忠」「親に仕える孝」が道徳教育の基本原理
「戸主/家族」の支配服従関係⇔「天皇/国民」の支配服従関係
②社会政策の代替作用
疾病、失業、貧困などの救済を、家による相互扶助に委ねる
③農業・商工業における家族的経営を可能にすること
戸主が家族労働力を統制し、戸主に家産を集中させる

エ、家制度の下における女性の地位
・男は、一家の主人として働き、家族を養う
→戸主は、家族の婚姻や縁組への同意権を持ち、他方、家族への扶養義務を負う(尊属の扶養が最優先)。
夫は、婚姻生活に必要な費用を負担し、夫婦財産を管理し、子の親権を持つ。
・女は、良妻賢母として、夫や夫の両親に仕え、家の跡継ぎを産み育てる
→妻は、婚姻によって夫の家に入り、夫と同居する義務を負い、法律行為無能力者(自己の財産すら管理できない)
家督相続の権利は原則なし、遺産相続(戸主以外の家族の相続)の権利も子がいない場合のみ。
厳格な貞操義務

オ、1946年日本国憲法制定、§13、14、24など
現行憲法24条
(1)婚姻は、両性の合意のみに基いて成立し、夫婦が同等の権利を有することを基本として、相互の協力により、維持されなければならない。
(2)配偶者の選択、財産権、相続、住居の選定、離婚並びに婚姻及び家族に関するその他の事項に関しては、法律は、個人の尊厳と両性の本質的平等に立脚して、制定されなければならない。

カ、1947年民法改正 ─ 「家」からの解放
1947年民法家族法部分の大改正
家制度廃止
妻の無能力規定の廃止
男女不平等な離婚原因の廃止
父母平等な親権
財産分与の新設
配偶者相続権  など

(2)これを何故、どう変えたいのか?
改憲草案24条(家族、婚姻等に関する基本原則)
(1)家族は、社会の自然かつ基礎的な単位として、尊重される。家族は、互いに助け合わなければならない。
(2)婚姻は、両性の合意に基づいて成立し、夫婦が同等の権利を有することを基本として、相互の協力により、維持されなければならない。
(3)家族、扶養、後見、婚姻及び離婚、財産権、相続並びに親族に関するその他の事項に関しては、法律は、個人の尊厳と両性の本質的平等に立脚して、制定されなければならない。

【Q19】家族に関する規定は、どのように変えたのですか?
【答】家族は、社会の極めて重要な存在ですが、昨今、家族の絆が薄くなってきていると言われています。こうしたことに鑑みて、24条1項に家族の規定を新設し、「家族は、社会の自然かつ基礎的な単位として、尊重される。家族は、互いに助け合わなければならない。」と規定しました。なお、前段については、世界人権宣言16条3項も参考にしました。
党内議論では、「親子の扶養義務についても明文の規定を置くべきである。」との意見もありましたが、それは基本的に法律事項であることや、「家族は、互いに助け合わなければならない」という規定を置いたことから、採用しませんでした。

(参考)世界人権宣言16条3項
家族は、社会の自然かつ基礎的な単位であり、社会及び国による保護を受ける権利を有する。

【Q20】現行24条について、「家族は、互いに助け合わなければならない。」 という一文が加えられていますが、そもそも家族の形に、国家が介入すること自体が危ういのではないですか?
【答】家族は、社会の極めて重要な存在であるにもかかわらず、昨今、家族の絆が薄くなってきていると言われていることに鑑みて、24条1項に家族の規定を置いたものです。個人と家族を対比して考えようとするものでは、全くありません。
また、この規定は、家族の在り方に関する一般論を訓示規定として定めたものであり、家族の形について国が介入しようとするものではありません。
人権保障における家族の重要性は、国際的にも広く受け入れられている観点であり、世界人権宣言16条3項は 「家族は、社会の自然かつ基礎的な単位であり、社会及び国による保護を受ける権利を有する。」と規定されています。草案の24条1項はこれを参考にしたものです。

  • 「家族は、社会の極めて重要な存在であるにもかかわらず、昨今、家族の絆が薄くなってきていると言われていることに鑑みて」
  • 憲法の基本原理は個人主義であり、「社会の自然かつ基礎的な単位」は個人である。尊重されるべきは個人であって、集団としての「家族」ではない。
  • 家族の在り方に関する「一般論」の「訓示規定」が、何故、憲法に必要か? 何を訓示している?介入以外の目的があるか?
  • 単身世帯が5%、そこでの「家族」とは?
  • 世界人権宣言は国家権力により侵害されないとの趣旨。
  • 「婚姻」条項の冒頭に「家族」をつけた理由は?
  • 社会保障/社会政策の代替作用を復活強化?
  • 両性の合意「のみ」を削除した理由は?
  • 「家族、扶養、後見」「親族」

4.最高裁2015.12.16判決:改憲草案そっくり!

  • 民法§750(夫婦の氏)「夫婦は、婚姻の際に定めるところに従い、夫または妻の氏を称する。」
  • 明治民法の下では、氏は家の呼称(戸主及び家族は家の氏を称する)。「妻は婚姻によりて夫の家に入る」との規定と相俟って、妻は夫の家の氏を称することを強制された。
  • 1947年に民法と戸籍法の改正。家制度は廃止、氏は個人の呼称となった。ところが、家族共同生活を営む者は同じ氏を称するのが慣習であるとされて、夫婦同氏親子同氏の原則が採用され、夫婦同氏は婚姻の効力として規定された。
  • 氏を人格権と捉えるならば、本人に意思によらずに氏の変更を強制することは許されない(憲法13条違反)。
  • 実際には女性が氏を変えることが当然とされ、96%近くを夫の氏が占めるのは社会的差別の結果である(憲法§14違反)。
  • 夫婦の氏を定めないと婚姻届が受理されないことは、婚姻は両性の合意のみに基づくことに反する(憲法§24違反)。

多数意見は合憲

  • 氏には、名とは切り離された存在として、夫婦及びその間の未婚の子や養親子が同一の氏を称するとすることにより、社会の構成要素である家族の呼称としての意義がある。家族は社会の自然かつ基礎的な集団単位であるから、個人の呼称の一部である氏をその個人の属する集団を想起させるものとして一つに定めることにも合理性がある。氏は名と相俟って社会的に個人を他人から識別し特定する機能を有する、従って、自らの意思によって自由に定めたり改めたりすることを認めるのは本来の性質に会わず、一定の統一された基準に従うのが不自然な取り扱いではない、氏は社会の構成要素である家族の呼称だから、一定の身分関係を反映し、婚姻を含めた身分関係の変動に伴った改められることは、その性質上、予定されている、だから13条違反ではない。
  • 750は「夫又は妻の氏を称する」とあり、規定自体に差別性はなく、14条違反ではない。
  • 750は婚姻をすることについて直接の制約を定めたものではない。氏は家族の呼称としての意義があるところ、家族は社会の自然かつ基礎的な集団単位と捉えられ、その呼称を一つに定めることには合理性が認められる。対外的な公示、識別の機能があり、子が嫡出子であることを示すために子が両親双方と同氏である仕組みを確保する必要があるのだから、24条違反ではない。

5.親子断絶防止法:改憲草案と同じ危険性

(1)父母の離婚等の後における子と父母との継続的な関係の維持等の促進に関する法律案(親子断絶防止法案) 概要

ア、基本理念
父母の離婚等の後も子が父母と親子としての継続的な関係を持つことについては、児童の権利条約を踏まえ、
・それが原則として子の最善の利益に資するものである
・父母がその実現についての責任を有する
という基本的認識の下に、その実現が図られなければならない。

イ、そのため
①離婚時の取り決め─父母
子を有する父母は、離婚をするときは、子の利益を最も優先して考慮し、面会交流及び養育費の分担に関する書面による取り決めを行いよう努める。
国はこの取り決めが早期円滑に行うことができるよう支援する。
②面会交流の定期的な実施等─父母
子を監護する父または母は、
・面会交流が子の最善の利益を考慮して定期的に行われ、親子としての緊密な関係が維持されることとなるようにする。
・面会交流が行われていないときは、これが早期に実現されるよう努める。
・国等の責務、国・地方公共団体・民間団体等の連携協力

③子の連れ去りの防止等の啓発等─国等
・国は、父母が婚姻中に子の監護をすべき者等の取り決めを行うことなく別居することによって、子と父母の一方との継続的な関係の維持が出来なくなる事態が生じないよう、又は当該自体が早期に解消されるよう、必要な啓発活動及び援助を行う。
・地方公共団体は、必要な啓発活動及び援助を行うよう努める。

ウ、特別の配慮
・児童虐待、DV等の事情がある場合には、子の最善の利益に反することとならないよう特別の配慮がなされなければならない。

エ 検討等

  • 子と父母との継続的な関係の維持等の促進に寄与する人材の育成
  • 面会交流の実施状況等に関する調査研究の推進等
  • 国の地方公共団体に対する援助(ガイドラインの作成等)
  • 離婚後の共同親権制度の導入、離婚等に伴う子の居所の指定の在り方、子と祖父母等との面会交流の在り方についての検討
  • 充実した面会交流を実現するための制度及び体制の在り方についての検討

(2) 「親子断絶防止法全国連絡会」とは?
「親子断絶防止議連」とは?

(2)法案の問題点
①別居親との関係維持がすべからく子に有益な影響を持つとは実証されていない。

  • 細谷論文が引用する調査研究を吟味すると、その研究知見は上記を支持していない。
  • 常識的にも、離別前の父子の関係、離別後の母との関係を抜きにして、「母の夫」との関係継続が常に有益と言える根拠はない
  • そもそも、抽象的な「子」「父子関係」など、存在しない。

②強制された面会は子の適応を害する。
・安全安心が奪われる(DV、虐待)→健康と成長の阻害
監護親の安全安心が奪われたら、養育環境も損なわれる
・乳児は、愛着形成が阻害され、人格発達上の痛手
・意思心情に反する強制→会う親への拒絶・嫌悪

③法律は高葛藤・紛争家庭の子に適用される

④オーストラリアの失敗
・2006年改正法は、父母が離別後子の養育に均等に関わること=子の利益。
・何が起きたか:DV虐待を訴える親は「友好的でない親」と評価され監護権裁判で不利になる→ DV虐待の訴え抑制→安全の懸念を抱えながら他方親に子を渡す事例が急増
Darcey Freeman事件:親事件拡大を求め充たされなかった父が、母への報復のため、4歳女児を2歳男児の前で殺害。(2012.5東京文京区で、父が小学生の息子の運動会に押しかけ、子に灯油をかけて無理心中)紛争増加:もっと権利を!もっと時間を!
養育費等の離婚給付減少、母子家庭のさらなる貧困化
母子の転居制限
・2011年改正法は、安全第一。DVの定義拡大、慎重審理。

(2)につづく

広告

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Google+ フォト

Google+ アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

%s と連携中